糖尿病とは?
糖尿病の人数
現在の日本における糖尿病人口は、1300万人を超えると推計されており、日本人の10人に1人が糖尿病ということになります。
糖尿病は自覚症状がないが、怖いのは合併症!
典型的な症状としては口がよく乾く、尿が近くなる、体重の減少などですが、ほとんどが無症状です。健康診断などの機会に発見したら治療を開始するべき疾患です。
しかし、検診で血糖値が高く、糖尿病を疑われる状態でも自覚症状がないために、治療を受けない人が多い。しかし、そのまま放っておくと徐々に進行して恐ろしい合併症ひきおこします。
3大合併症
神経障害
末梢神経障害(手足がしびれたり痛む・睡眠中に足がつる)
自律神経障害(立ちくらみ・顔面神経マヒ)
腎症
人口透析が必要になる人の30%が糖尿病が原因です。血糖値が高い状態が続くと腎臓の血管がおかされ、血管からタンパクが漏れ出て老廃物をろ過する機能が衰えてきます。
やがてむくみが発症し、さらに進行すると、腎不全、尿毒症になります。
網膜症
網膜症と白内障は、糖尿病による代表的な目の病気です。糖尿病網膜症は失明原因の第一位になっています。眼底にある網膜の毛細管が冒されて発症します。
糖尿病の検査(血糖値)
糖尿病型
境界型
正常値
空腹時血糖値
126mg/dl以上
糖尿病型と 正常値の間どちらともいえない
110mg/dl未満
2時間血糖値
200mg/dl以上
140mg/dl未満
糖尿病は生涯治らない病気です
糖尿病は一度なってしまうと、ほとんど治らない病気です。適切な血糖コントロールを行い、食生活を改善し、生涯糖尿病とうまく付合うことが必要となります。
特効薬はないということを理解してください。健康食品やサプリメントはあくまで補助的に使いましょう。とにかく食事療法、適度な運動。ストレスをためないことが一番です。
糖尿病やその予備軍(境界型)と診断されたら
糖尿病の人
必ず医師の指示に従ってください。そのまま放っておくとだんだん悪化し、合併症を発症する確立が極めて高くなります。発症してから嘆いても後の祭りです。
境界型の人
血糖コントロールの基本は食事療法です。
医師や栄養士から適正エネルギー量などの指示を受けた上で、食事療法を根気良くきちんと守って実行することが大切です。油断をすると糖尿病になるのが早まります。
自分の適性エネルギー量を知ること。
標準体重はBMIという計算式で算出します。
【標準体重=身長(m)×身長(m)× 22】×25~30kcal=適正エネルギー
身長170cmのデスクワークの多い人の適正エネルギーは、
1.7×1.7×22×25~30=約1600~1900kcal
1日3食を規則正しく食べること。
糖尿病の治療には、
食事療法、運動療法、薬物療法がありますが、その中でも、食事療法は糖尿病治療の基本となるものです。 初期の糖尿病は、食事療法をきちんと行うことで進行を防ぐことができます。
食事療法のポイント
●医師から指示された適正な範囲内のエネルギー量(カロリー)の摂取におさえる。
●バランスよく栄養 (糖質 タンパク質 脂質)をとる。
●ビタミン・ミネラルの補給をする。
●決まった時間に3食をとる。(ドカ食いは最も良くない)(間食は控えめに)
※白米、パンよりパスタの方が糖の吸収が少ない
運動療法のポイント
●ウォーキングやサイクリングなどの有酸素運動を毎日行う。
●運動を始めたら、最低20分以上行う。 (10分以内では効果なし)
●運動を開始する時間は、食後1時間以上たってからがよい。
●空腹時の運動は、低血糖を招く危険性があるので、絶対に行わない。
糖尿病を予防するには?
糖尿病は遺伝的な素質や肥満といった状態に、過食や運動不足などの生活習慣が加わって発症します。予防するには、食べすぎや栄養バランスの偏った食事を改善し、太りすぎに気をつけることです。特に糖質や脂質の取りすぎに気をつけましょう。
また、体調を整える上で欠かせないのがビタミンやミネラルです。さらに、腸からの糖質の吸収を緩やかにしたり、脂肪の吸収を阻害する働きのある植物繊維も忘れてはなりません。こうした栄養素をバランスよく取ることに気をつけてください。